小池百合子代表提案のベーシックインカムと介護・福祉を考えてみる
希望の党代表の小池百合子氏が、政策会見の中でベーシックインカム言及したことにより、トレンド入りするなどの注目を集めました。福祉の現場で働く私としてはよく「こんなに介護保険料を払っているのにこんなことも、してくれないの?」と言われることが多々あります。
ベーシックインカムにすれば、自分で選択をし、必要なところにだけお金を払うことができることになるのでしょうか?そもそもベーシックインカムとは何なのか、それが福祉・介護にいったいどのような影響を受けるのかを今この時期だからこそ、しっかり考えてみました。
ベーシックインカムとは
そもそもベーシックインカムという言葉を初めて聞かれる方も、多くいると思います。ウィキペディアには、
ベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して高い税率の徴税を行って得た税収で最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという究極の高負担高福祉で大きな政府の政策。 基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBIともいう。
ベーシックインカム - Wikipedia
と書かれています。この文章だけ読んでも、なんだかよく意味がわからないですよね。要するに簡単にいうと、国民全員に対して、一律最低限の生活費を定期的に支給するという仕組みなのです。
現在でも生活保護や各種の給付金として、最低限の生活は保障されてはいますが、こういった給付金をまとめて国民全員に給付するということです。
ベーシックインカムのメリット
ベーシックインカムを導入することによるメリットは、
- 国民に一律に、保障を行うため個人や世帯によってもらえる現在の保障よりも平等性が担保される
- 医療費や介護費に関して現在は、皆保険制度のため、保険料について加入者全員が、使用する人達の負担をしているが、ベーシックインカムの制度では、使う人だけ払うということになる可能性がある
- 社会保障を簡素化することにより、政府の役割を小さくし、地方分権になり、地域によっての独自性を出すことができる
- 老後の不安が軽減できる
- 働けなくなっても、最低限の生活費が入ってくるため、老後も安心して暮らすことが可能
他にも生活保護の不正受給をなくしたり、景気が良くなるなど言われていることが、多くあります。
ベーシックインカムのデメリット
ベーシックインカムを導入することによるデメリットは、
・働かない人が多くなる
ベーシックインカムにより、最低限の生活費をもらえるため、働かなくても一定の生活が維持できるため、働かない人が増加していく可能性がある。また、おそらく現在以上の所得税がかかるため「お金を稼げばその分税金をとられる」といって働かない人が一定数いる。
・財源の確保が難しい
現段階では、どれだけの財源がかかるのかも、どういった財源を確保するのかも不透明のため、現実味が帯びていない。政策を掲げるのはいいと思うのですが、小池代表風に言うと、まずはエビデンス(根拠)をしっかりして欲しいですね。
・生活破綻者がでる
医療、福祉、介護など全てを自己負担にするということも含めて行なうのであれば、難病患者や透析患者などの医療費がかかる方は、生活の破綻をまねくことになりそうです。ここら辺の解決をしないと導入が難しいです。
まとめ
ベーシックインカムを導入することにより、国民の最低限の生活や老後の不安の軽減になることは理解ができました。財源や労働意欲などの問題点は関の山です。
ただ、こういう提案により議論が起こり、国民が考え、選択をしていくのは良いと思います。 私も日本の福祉にとってどういう方向が自分なりの意思が持てるように勉強していきたいと思います。