福祉用具の導入について~主任ケアマネに聞いてみた~
福祉機器は、介護保険に該当するしないに関わらず、驚くほどの進化を見せています。加齢とともに少しずつ身体機能が低下し、今までできていたことができなくなってしまったという利用者さんが増えています。
その中で、主任ケアマネのKさんは、福祉用具をうまく活用するという視点が、とても重要だと言います。
福祉用具事業所を選ぶ視点
前回の記事の中で、Kさんから、
- 商品の値段が適切である(できる限り安いところ)
- 緊急の依頼にも、早急に対応をしてくれる
- 設置場所などの提案ができる
- 商品の説明がしっかりできる
と、福祉用具事業所を選ぶ視点を聞かせてもらいました。
その上で、福祉用具の利用について、Kさんが経験したことを教えてくれたのです。
福祉用具の導入について
福祉用具の活用が大切というものの、何でもすぐ導入すれば良いという訳ではありません。まして介護保険における福祉用具は「ただ便利だから」利用するというものではなく、利用者さんの心身の状況に応じ、必要と判断された場合に利用できるサービスなのです。
それだけに、まずは利用者さんひとりひとりの状態を、しっかりアセスメントする必要があります。たとえば「できない」という言葉の裏にも、色々な背景が隠されています。
- 本当はできるのにさせてもらえない(危険だからさせない、家族が行なってしまうこともある)
- したくないからしない(意欲の低下)
- したことがない(未経験)
- 物理的環境の変化によってできない
などひとつひとつの動作において、できない原因を確認していかないと、過剰に福祉用具を入れてしまう危険性もあります。
またそれにより、逆に状態が落ちてしまうこともあるとKさんは言います。
急激な状態の変化に柔軟に対応してくれる事業所との信頼関係作り
最近は、自宅で終末期(ターミナル)を迎える利用者さんも増えています。特に末期がんの方などは、急な体調の変化に伴い、急激に身体機能の低下も見られたりします。こうした変化に対し、急に必要になった福祉用具をすぐに搬入してもらう、機種を変更する、また不要なものの引き上げを行なうなどの対応が必要です。
日頃から、福祉用具の各事業所の動きを知っておき、いざと言う時に柔軟に対応してもらえる事業所を探しておくことも大切だと思います。
まとめ
Kさんは、話の最後にこう話してくれました。利用者の自立を支援するケアマネとして、ただ福祉用具事業所に任せるのではなく、
- あの福祉用具を活用すれば、この利用者さんの生活が改善されるかもしれない
- 福祉用具の活用により、あきらめていた在宅生活が可能になるかもしれない
- 家族の介護負担が楽になるかもしれない
というような意識を持って、常に新しい福祉機器の情報に関心を持っていくことが大切だと・・・。