まじかいご。

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介護保険財政の圧迫と不要なサービス

この仕事をしているとよく利用者さんや、家族から「介護保険料を払っているのだから、使えるものは使わないと損だ」とか「こんなに高い介護保険料を払っているのに、こんなこともやってくれないの」などのような声をよく耳にします。

言いたい気持ちはよく分かりますが、国の社会保障の財源には限りがあります。今の高齢者に財源を充てることよって、どこかにしわ寄せがくるのは当然のことです。そのしわ寄せが来るのは、これから先の孫の世代です。

では一体、どのようにしたら良いのでしょうか。私なりの考えを書いていきたいと思います。

介護保険法では、国民の努力義務がある

実はあまり知られてはいませんが、介護保険法の中には、国民の努力義務が課せられています。もちろん努力義務なので、それを破ったからといって、実際罰則になる訳ではありません。

その内容はと言えば ”国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

要するに「健康的に暮らすためにリハビリなどで有する能力を維持向上させてください」という内容です。有する能力を維持させるためには、できていることはできる限り行ってもらい、できない部分に援助を行っていくということが基本になっていきます。ですから、掃除などを面倒くさいからなどの理由でヘルパーを入れることなどは、もちろんできないということになります。

以前も書きましたが、日常生活を繰り返し行うことが最も効果的なリハビリとなるため、その有する能力を維持向上させるためにできることは行うことが、最終的には自分のためになるのです。

病院に並ぶ高齢者・・・

高齢者の病院あるあるとしてよく聞く会話ですが Aさん「最近Cさん病院でみかけなくなったけどどうかしたのかしら?」 Bさん「体調でも悪くなったんじゃないかね」 体調が悪いから病院に来ているわけではなく、地域のサロンの感覚で病院受診をする高齢者が大勢います。

たまに風邪をひいて病院に行くと、院内は高齢者であふれていることはありませんか?しかも高齢者は、大抵早く来て診察券を先に出しているため、体調の悪い中、相当な時間を待つこともあり、これって、何とかならないかなあと思うことがあります。また後期高齢者になると、大体の方が1割負担になるため、整形外科などには、毎日通っている人も沢山いるようです。

もちろん、効果がないとは言いませんが、私の思う良い整形外科の見極め方としては、自分でできるセルフストレッチの方法をアドバイスし、定期的に評価をしてくれるところです。日々の日常生活の中での改善していくことが、私は一番大事だと思っているからです。

以前も書きましたが、ヒルドイドの美容目的での使用なども、保険の歪になっている部分だと思います。

不要なサービスを入れ込む事業所

問題点については、高齢者だけではなく介護事業所にもあります。それは、不要なサービスを継続する事業です。もちろん介護サービスは、事業所の判断で、継続の有無を決める訳ではなく、ケアマネが本人の状態をモニタリングし、状況に合わせてプランの見直しをする重要な役割を果たします。

しかし、実際に状態が改善され、すぐにサービス終了できるかと言えば、なかなか難しい部分もあります。以前も「リハビリ特化型デイサービスの今後」で記事を書きましたが、良くなった利用者さんを卒業をさせない、不要なサービスを入れ込むなど、介護保険の趣旨とは異なり営利目的にのみしている事業所が増えているように感じています。

こういった事業所が、長期で考えると介護保険財政を圧迫し、自分たちの首を絞めることにもなると思います。介護保険に関わる人達が、本当に必要な人に必要なサービスを提供していくのだという意識を持つことが重要です。

まとめ

介護保険は、そもそも必要な人に必要量の支援を行うことを目的としています。 介護保険を使わなきゃ損をするとかを考えずに、適切な利用をしてもらわなければ、今後の介護保険は間違いなく崩壊していきます。また事業所側も目先の利益ばかりに目を向けるのではなく、長期経営を考え、利用者さんの自律を促していく必要があると感じています。

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