まじかいご。

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梅沢冨美夫さんが「頑張らない介護」を語っていたので改めて考えてみた

11月16日のヤフーのトップに【梅沢富美男さんと語る「がんばらない介護」】というニュースが載っていました。そこで、私も改めて「頑張らない介護」について考えてみました。

www.news24.jp

私もケアマネとして仕事をしている中で、利用者さんを介護している家族に対し、「そんなに頑張らないでいいですよ。」という言葉を使うことがことがあります。しかし、ケアマネの仕事をしながら、親の介護を経験したという方の話を聞きながら「頑張らない介護」とは、どういうことなのかを考えるようになったのです。

今このブログを読んでくださっている人の中にも、親の介護をしながら介護の仕事を続けている人、また自分自身が介護をした体験から、この先介護職の道に進もうかと考えている人がいるかもしれません。

今回は、仕事を続けながら自宅で親の看取りを経験したケアマネさん、そして今も、自宅で親の介護をしながら現場で働いている介護職の方から聞いた話をもとに、書いていきます。

そして「頑張らない介護」について、一緒に考えていければと思います。

その日は突然にやって来た…

ケアマネの事業所で働く50代のケアマネのAさん。

これまで多くの利用者さんや家族の支援をし、在宅での看取りのプランなど積極的に実践しているベテランの方です。そのAさんの父親が、癌の末期という診断を受けたのは今から3年前。

父親や家族の強い希望で、病院ではなく在宅で最期を看取りが進められました。

もちろん、日頃からケアマネとして仕事をしていることもあり、自宅療養をするための環境整備や医療、介護を含めた在宅サービスの利用方法等については、特に不安もなかったと話すAさん。

しかし、ひとつ大きく違っていたのは、自分が担当ケアマネではなく、利用者の家族だということでした。

立場が変わることで、感じ方がこうも変わる

実際に、退院後在宅療養が始まり、すぐに必要なサービスが調整されました。ケアマネの一連の流れはAさん自身は、すぐに理解できましたが、利用者さんや家族側からすると、次々に利用する事業所との契約をしたり、担当者会議に参加するのは、とても大変なこと。

おまけに、病名を知らせていない当の本人である父親や、介護者となる母親からは、サービスが多すぎて、負担だと次々に拒否が…。

なかなかサービスが安定せず、結局介護に関しては、最後には家族で担うことになりました。

少しでも楽に介護ができるように調整したことが…

父親の看取りを無事に終えたAさん。 自宅の中に色々サービスを入れる事で、少しでも介護者が頑張らなくてすむようにと配慮することが、介護者の負担になることもあることを自身の体験により再確認したとのこと。

今回は、たまたま自分の親であったために、本音を聞き取ることができましたが、これが仕事の中で、果たして十分に行なえていたのか、振り返りをする良い機会になったそうです。

まずは、利用者さんと介護する家族それぞれの思いや希望を傾聴すること、それがとても大切だと話してくれました。

認知症の母親の介護を頑張りすぎてしまったために…

現在デイサービスで働く介護職のBさん。

以前は、特養の介護員として働いていましたが、独居の母親の認知症の進行により同居を始めたのは、今から1年前。同居を始めてからも、母親の認知症は進み、夜間の徘徊も始まったために、Bさんは安心して夜勤の仕事ができなくなっていったのです。

それでも長年の介護職としてのプライドもあり「親のためにできることは、何でもしたい」と、仕事をしながら介護を続けていました。

ところが、Bさんは独身の上に、一人っ子。 もちろん誰にも頼ることはできず、仕事も辞めた方がいいのではないかなど、もがく日々…。一人で抱え込むことでどんどんと追いつめられていき、気が付くと母親を疎ましく思う自分がいたと話してくれました。

介護の仕事を辞めないという選択

担当のケアマネさんや職場の上司、また母親の利用しているサービスの担当者たちが、Bさんの話に耳を傾け、熱心に相談に乗り続けてくれていたそうです。そして色々と考えた末に、Bさんは特養の介護員から同じ法人内にあるデイの介護士として働くこを決めました。

また母親自身も、自宅近くにあるデイサービスに週6回、また毎月定期的にデイと同じ施設内にあるショートステイを利用することで、少しずつ落ち着いた生活を取り戻していきました。

あの時に、担当のケアマネさんをはじめ、まわり人たちが、自分の気持ちを十分に受け止めてくれた上で、少しでも私が楽になる方法を一生懸命提案してくれたおかげだと思っています。

「頑張りすぎないで」という言葉について最後にBさんに聞いてみました。

「介護のために仕事を辞めないで、一人で抱え込まないで、誰かにしっかり相談して」

と答えてくれました。

まとめ

介護をしている時には、みんなそれぞれに一生懸命です。特に介護の仕事をしている人だからこそ、逆に頑張らなければ介護なんかできないと実感しているのです。「頑張らないで」と何気なく私達が、日頃かけている言葉。

中には、そんな言葉は、何の救いにもならないと思う人もいるかもしれません。実際、今回話を聞いたお二人からも、自分が介護の真っ最中の時にかけられた「頑張りすぎないで」の言葉が、逆に負担に感じたこともあったそうです。

「頑張らないで」という言葉をかけるより、ただ黙って介護者の話を聴くこと。これが何よりも大切であることを感じました。私自身もケアマネとして、利用者さんはもちろん介護者の方が、少しでも頑張り過ぎずにすむ方法をまずは一緒に考えていこうと思いました。

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