まじかいご。

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在宅・施設それぞれで働くケアマネの本音を聞いてみた

ケアマネの資格を取得した後に、自分はケアマネとして、どこで働こうかと考えている人もいると思います。「ケアマネの役割、働く場所を知る」の記事で記載したように、ケアマネは介護職同様に、大きくわけて在宅系、施設系で働くことができます。

しかし現役のケアマネ達は、どのようにしてその職場を選んだのでしょうか。今の職場で満足して働いている人もいれば、不満や悩みを抱えている人もいるかもしれません。

今回は在宅、施設で働いているケアマネから、今の職場で働くきっかけと本音を聞いてみました。これからケアマネの職場を探す人達の参考になればと思っています。

施設ケアマネってどうなの?

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などで働く施設ケアマネは、その施設内の利用者さんのケアプラン作成を中心に行ないます。居宅のケアマネとは大きく違うのは、ケアプランを受け持つ対象者が施設内の利用者さんに限られていることです。

そのため作成したケアプランを実現するためには、施設内の各専門職とのコミュニケーションは欠かせません。しかしそれ以外の業務に関しては施設によって様々です。

施設ケアマネのAさん(30代後半・特養勤務)に聞いてみた!

Aさんは、現在の施設で10年以上介護福祉士として働いていました。多忙な業務の中でケアマネ試験を受け、3回目にしてやっと合格したと言います。

もともとケアマネ資格を取ったら、そのまま施設ケアマネになることが、施設の中では暗黙の了解になっていたため、特に迷うこともなく介護士から施設ケアマネとして同じ施設で働いています。

しかし施設ケアマネとなってからも、ケアプランの作成だけを行うことは難しく、介護士とともに介護業務を行ったり、その他の雑用的な業務や夜勤業務をすることもあるとのこと。

Aさんは、ケアマネ業務以外の仕事の多さに正直閉口することもあるけれど、今まで自分を育ててくれた職場に、今は恩返しのつもりだと話してくれました。

また何よりも施設に入所してい る利用者さんが、自分が介護士であろうがケアマネであろうが関係なく、笑顔で接してくれていることに、いつも力をもらっていると話してくれました。

施設ケアマネのAさんからのアドバイス

他の施設ケアマネと話をしても、多かれ少なかれケアマネジメント以外の業務も担わされることが多いです。兼務が多すぎるために、本来業務のケアプラン作成 モニタリングに時間が取れないと、不満の声もよく聞いています。

施設ケアマネとして働こうとする人は、その施設ごとに業務が異なるため、まずは事前によく情報を収集したり必要に応じて確認した方が良いと思います。

居宅ケアマネってどうなの?

自宅で暮らす利用者さんの自宅を訪問し、その人の生活状況などに合わせ、自立支援を意識したケアプランの作成を行い、適切なサービスを調整~提供までを行います。

また毎月モニタリングを行い、利用者さんの状況に合わせてケアプランの見直しを行うと同時に、、利用者さんに関わる家族や専門職との連携を図る役割があります。  

居宅ケアマネのBさん(40代前半・居宅介護支援事業所勤務)に聞いてみた!

Bさんは、もともと訪問介護の事業所で、長年ヘルパーとしてして働き、ケアマネの資格取得時にはサービス提供責任者として活躍していました。在宅で暮らす利用者さんの状況は、日頃から理解しているつもりでしたが、いざケアマネとして働き始めると、想像以上にケアマネの業務が大変であることを実感したそうです。

独居や夫婦のみ世帯、認知症や寝たきりの方など、本当に様々な暮らしをしている利用者さんがいることは、ヘルパーとして働くで、ある程度は理解しているつもりだったとのこと。

しかし実際ケアマネの立場になってみると、対応する利用者さんのケアプランを作るだけではなく、緊急対応はもちろん、困難事例の対応、家族間のもめごとから利用者からのクレームに至るまで、その仕事量 の多さにはびっくり。

また意外に大変だったのは、書類の多さ、煩雑な記録の多さ・・・いつも追いつめられているような気がすると話してくれたのです。

居宅ケアマネのBさんからのアドバイス

ケアマネは、ケアプランを作成するのが主な仕事と思っている人も多いと思いますが、実は何でも屋という言葉がぴったりなくらい、やらなくてはいけないことが多い職種です。まずは自分が心身ともに健康でなければ続かないと思います。

ケアマネとして働き出したら、在宅の利用者さんにとっては、実務経験がないケアマネも、ベテランのケアマネも同じ仕事を求められす。新人だからというのが通用しない専門職です。それだけに、ケアマネ未経験でも安心して働くためには、十分な検討が必要です。

その居宅介護支援事業所が、未経験者でも可能なのかどうかを知るために、私自身は、色々細かい所までフォローをしてもらえる介護の求人紹介会社を活用しました。

地域包括のケアマネってどうなの?

地域包括支援センターのケアマネは、介護保険における介護予防サービスに基いてケアプランを作成します。居宅介護支援事業所が、要介護認定を受けている高齢者のケアプランを作成したりする事業所であるのに対し、地域包括支援センターは、すべての高齢者の相談を受け付ける窓口的な役割があります。   

地域包括のケアマネCさん(50代前半・地域包括支援センター勤務)に聞いてみた!

Cさんは、もともと居宅のケアマネでしたが、法人内の異動により、やむなく地域包括支援センターのケアマネとなったそうです。現在は要支援1・要支援2の認定を受けた利用者さんのケアプランを作成しています。

居宅のケアマネには、担当する人数に制限がありますが、地域包括にはそれがないこと、また委託できる居宅介護支援事業所も少ないめ、現状どんどん担当件数は増え続けるばかりだそうです。

また地域包括は高齢者の相談窓口でもあり、来訪者や電話対応により、なかなか自分の仕事に集中できないこと、また緊急で高齢者の方の安否確認のために動くこともあり、時には辛い現場に直面することもあり大変なことも多いと話してくれました。

  

地域包括ケアマネのCさんからのアドバイス

地域包括は、職場自体が規模が小さいだけに、人間関係が悪いとかなり辛いものがあります。

実は私の職場でもかつて、管理者である主任ケアマネと社会福祉士とのトラブルが絶えず、その影響で何人もの職員が入れ替わりました。地域包括で仕事をしたいと考えているようであれば、他の地域包括の職員やその地域のケアマネからの情報を聞くことも大切です。

ましてや3職種の専門職が中心の職場なだけに、その中でケアプランを作成するプランナーとしてうまくやれる自信があることが重要だと思います。

まとめ

これから新たにケアマネとして働く人にとって、ケアマネの業務や役割についてわかっているようで、意外にわかっていないことも多いと思います。

実際に私がケアマネとして働き始めた時もそうでした。この先求職活動を始めていくにあたり、まずは居宅ケアマネと施設ケアマネ、ケアマネとしての業務や役割の違い、また自分がやってみたいことなども考えながら色々情報収集してみるのがいいかもしれませんね。