まじかいご。

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介護職の人間関係 part3:後輩とのつきあい方

新年度を迎える時期になると、職場にも新しい職員の採用の話が多く聞かれると思います。

新しく職場に入るいわゆる新人と呼ばれる人の中には、自分と同じ位の年の人もいれば、年上や年下など、本当に様々な年代の人がいます介護業界では、新卒で介護職として採用される人達ばかりではなく、自分より年上だけれど、介護業界は未経験だという人が入ってくるのはごく当たり前のことです。

そのため、自分より年上の人を後輩として指導している人も多くいるのではないでしょうか。今回はそうした後輩を持つ皆さんの様々な悩みや、うまい付き合い方について考えてみたいと思います。

特に年上の後輩とのつきあい方は難しい

新卒で初めて職場に就く方はもちろんのこと、どんなに他の業界でキャリアを積んでいても、介護に関しては未経験ということで、新しい職場では後輩の立場になります。資格を取得し、介護の専門学校や大学を卒業しても、現場ですぐに独り立ちできる訳ではありません。

やはり職場の中で社会人としてのマナーから介護技術に至るまで指導が必要になります。 またその一方で、自分の親より年齢が上の後輩を持つこともよくありますが、自分より年上だと何かと気を使うこともあるでしょう。

実際に、一回り、二回りも年上の後輩に対しては、注意しづらいし、仕事も頼みづらいと言う声も聞きます。 このように先輩としての立場で指導をしながら、色々なタイプの後輩とどのように付き合っていけばいいのかを、悩む方が多いようです。

年上の後輩との関わりの中で:Aさんの場合

専門学校を卒業してから5年間、同じ特養施設で働いている20代半ばのAさん。自分自身が入職した当初には、10年以上の経験を持つベテランの職員が各フロアにいて、その人達の指導を受けながら仕事を覚えたとのこと。

その後退職や異動に伴いベテランと呼ばれる年代の職員がいなくなり、現在はAさんの年齢で、すでに後輩の指導も担う立場になっているそうです。最近では、自分より年上の方の採用が増えてきていることに、Aさんは悩むことが増えたといいます。

他の業界でキャリアを積んで来られた方、また子どもの手が離れたことを機に、介護職として働き始めた方もいて、自分の母親以上の年齢の方も多いため、ますは言葉使いや対応に気苦労しているとのことでした。

自分が指導する担当者である事を伝えると「今までこんなに若い子に指導された事がない」と。また介護方法を実際にやって見せても「介護をやった事がないのだから、いきなりは無理・・・」と、身体を使うことには消極的なのですが、みな口だけは達者な方ばかりです。

自分よりも社会人としてのキャリアも長く、人生経験も豊富な後輩たちと、どのように関わるのが良いのか、毎回試行錯誤を繰り返す日々。

その中で、年上の後輩には、新卒者の指導とは違う対応が必要なことに気づいたと言います。

・時には相手を認めること
・時には相手に教えてもらうような言葉がけをすること
・相手のプライドを損なうような言動は極力控えること

などの配慮をすることで、その方達に少しでも気分よく仕事をしてもらえるように心がけたとのこと。特養施設は高齢の利用者さんの対応をする施設。

その中で自分よりはるかに長く、多くの人生経験を積んだ人だからこそ、できる利用者支援もあるのだということをまずは理解することから始めてみたのです。

それにより、少しずつ自分自身も気持ちが楽になったこと、また年上の後輩自身もいい気分で仕事ができるようになったと言います。

相手が変わらないのであれば、まずは自分自身の姿勢やコミュニケーションの取り方を変えてみるという事を学んだそうです。

新卒の後輩との関わりの中で:Bさんの場合

デイサービスの相談員として働いている30代前半のBさんは、新規開設のデイサービスに異動となり、そこに配属された新卒の職員と一緒に仕事をスタートすることになりました。異動する前の職場には様々な年代の職員がいたため、それぞれの年代のスタッフが、うまく役割分担をしながら業務が行なわれていたとBさんの話。

もちろん今回の職場にも、数人の経験者は配属されていましたが、新規開設のデイサービスということで、開設当初はとにかく忙しい毎日だったそうです。新卒で採用された若い職員達にも、先輩がみな忙しく動き回り思うような指導ができない状況の時には、とりあえず利用者さんと話をしていてもらっていたとのこと。

そんな状況の中で、新卒者の様子を確認していたBさんには驚いたことがありました。それはデイの活動中、利用者さんのそばで話をしている後輩達一人ひとりの対応の違いでした。

例えば、

・利用者さんの名前をすぐに覚え,自分から声をかけている人
・ただ黙って利用者さんの話をじっと聴いている人
・利用者さんのちょっとした変化に気づき先輩職員に報告に来る人
・利用者さんの話を聞きながらうとうと居眠りをしている人
・席から立とうとしている利用者さんを他人ごとのように眺めている人

など、本当にその対応は様々だったのです。今考えてみると、先輩が忙しそうに動いているのに新卒の自分達が何もできず、ただ利用者さんの話し相手をしているというのは、きっと居心地が悪かっただろうなと痛感しました。

そんな慌ただしい日々を過ごした後、やっと新人に対して指導、助言ができるようになったのは、それから1カ月以上経ってからのことでした。

ベテランの先輩職員も新卒の後輩職員も、新規開設直後という通常とは違う日々を共に経験をしたことにより、その後チームワークよく働けているそうです。

Bさんはそんな多忙な日々の中で、誰もが気づかないことを新人職員が気づいたり、新人職員だからこそ疑問として挙げられることもあるのだということも逆に学んだそうです。

まとめ

人間相手の介護の仕事は、人間関係のストレスを抱えやすい職場でもあります。苦手意識が先行してしまうと、コミュニケーションがとりづらくなり、余計に関係がぎくしゃくしてしまいます。先輩や後輩の関係も、時と場合によってはストレスにもなりかねません。

そういう意味では、色々なタイプの後輩がいる中で、少しでもうまくつきあっていくためには、まずは相手が何を考えて、どう感じているのかを理解することも重要な事だと思います。