まじかいご。

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今も記憶に残る介護の体験~訪問リハビリ編~

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利用者さんが、住み慣れた自宅で、少しでも自立して生活することができるように、生活機能の維持向上を目指し、 医師の指示のもと理学療法士、作業療法士等がリハビリを行うのが訪問リハビリの役割です。

自宅を訪問しての援助になるため、利用者さんの日常生活の中での具体的な困り事に沿ったリハビリが可能であること、また1対1で時間をかけて行えるのも訪問リハビリのメリットです。

今回は、私のケアマネを担当している利用者さんが、訪問リハビリの援助を受けて、生活が改善した時の話をお伝えします。

在宅生活に笑顔が戻った60代の女性Mさん

脳出血を発症するまでは、夫と二人で、ごくごく普通の生活をしていた60代の女性Mさん。子どもがいないため、夫の定年退職後は、夫婦で趣味のゴルフや旅行などを楽しむ生活が続いていました。

しかし、突然外出先で脳出血を発症し緊急入院することに…。

治療やリハビリのため、約3ヶ月間の入院生活を経て退院することになり、初めて介護保険の認定を受け、必要な介護サービスを検討しました。Mさんは、脳出血の後遺症により、右半身に軽度の麻痺が残った状態で在宅に戻ることになりました。

自宅は、元気な頃には全く不自由を感じることのない一戸建て住宅でしたが、やはり、病院内の整備された環境とは違う自宅に戻るためには、問題が山積だったのです。

今まで気にもとめなかった玄関や室内の段差はもちろん、手すりのない室内外での移動や、ベッドからの起き上がり、立ち上がりも厳しく、準備していたポータブルトイレにもひとりでは移乗できない状況に、Mさんや夫の不安は募るばかり。

退院にあたり、住宅改修や福祉用具による自宅内の環境整備とともに、週2回の訪問リハビリによる援助をスタートしました。

訪問リハビリの担当PT(理学療法士)からは、Mさんのような若い利用者さんのような場合には、まだ自分自身が病気を受容できないことも多いため、リハビリと同時に精神面でのフォローが重要だと、Mさんの不安や訴えに一生懸命耳を傾けてくれました。

また、突然介護者となった夫に対しても、介護に対する不安をしっかり聴きながら、介助の方法や生活指導等を繰り返し行なうことで、安心して介助ができるようにと配慮してくれました。

そうした担当PTの配慮やリハビリはもちろん、Mさん自身の努力もあって、退院後3ヶ月目には自力でベッドからの起き上がり、立ち上がりもできるようになり、日中には、ポータブルを使用せず、トイレで排泄も出来るようにまで改善しました。

また、何よりも本人が一番喜んだのは、自宅で浴槽に入り入浴が出来るようになったことでした。年齢的にデイサービスを利用して、そこで入浴をすることには抵抗があったMさんは、担当PTと自宅の入浴環境に合わせたリハビリを継続したことにより、それが実現できたのです。

自宅の環境、利用者さん、介護者、それぞれの状況を実際に確認しながら、リハビリを行うことができる訪問リハビリの成果を改めて実感しました 。

まとめ

今回のように、利用者さんがリハビリを受けて状態が改善していくことは、本人だけではなく介護する家族にも大きな変化をもたらします。

自宅の中で、出来なかったことが出来るようになること、またそれにより介護者の介護負担も軽減されることにより、日常生活の中に、また笑顔が戻るケースが増えていくよう願っています。