まじかいご。

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訪問介護で体験したエピソード~主任ケアマネに聞いてみた~

先日の記事で、サービス事業所を選ぶ視点やポイントついて話を聞いた主任ケアマネのKさん。

今回は、Kさんの話の中から、多くの訪問介護事業所と、実際に関わる中で、体験したエピソードを書いてみようと思います。

訪問介護を選ぶ視点

前回の話の中で、Kさんからは 、

  • 〇〇で困っています。などの困っていることをただ否定的に伝えてくる事業所ではなく、〇〇で困っているようですが、こうしてみるのはどうでしょうか?という前向きな提案ができる
  • サービスを提供責任者と担当訪問介護員の連携がしっかり取れ、情報が共有や引き継ぎが確実に行なえている


と、選ぶ視点を教えてもらいました。

majikaigo.hatenablog.jp

もちろんKさんも、最初からこういう視点を持って事業所を選べていた訳ではなかったとのこと。

Kさん曰く、「介護保険がスタートし、初めてケアマネとしてプランを立て始めた頃は、本当に色々な失敗をしましたね。訪問介護事業所の方も、家政婦紹介所から介護保険サービスに参入してきた事業所も多く、利用者に対しても専門的な援助をするという意識がなく、驚くこともたくさんありましたよ。」と、笑いながら色々話をしてくれたのです。

こんな事業所はいやだ!

忘れもしないと、最初に話してくれたのは、介護保険サービス開始間もない頃のこと。Kさんが初めてケアマネとして、ヘルパーのサービスを依頼した時の出来事でした。

Kさんが、一人暮らしの利用者の援助を依頼した訪問介護事業所の管理者は、家政婦紹介所で長年家政婦さんの派遣をしてきたという大ベテランの女性。援助を必要とする利用者さんの自宅で、待ち合わせをすることになり、訪問をした時のことでした。

その女性管理者は、自宅に入るや否や、利用者に向かい「灰皿ある?」と一言・・・ 。何でも仕事をする前には、一服する習慣があるのだと、悪びれた様子もなく話す彼女に、Kさんも利用者さん本人もビックリ!

もちろん援助がスタートする前に、利用者さんの方から、この事業所は断ってほしいとの連絡が入ったそうです。

訪問介護事業所の協力で援助につながった

援助が必要な状態であるのに、ヘルパー援助を頑なに拒否していた高齢者夫婦の話です。

長年、地域で個人病院を開業していた利用者夫婦。元医師の夫が認知症を発症し、日常生活に支障が出ていましたが、妻はどうしてもまわりに夫の病気を知られたくなかったようで、ひとりで頑張って世話をしていました。

しかし、妻自身も持病の腰痛により、自分の身体も思うようにならなくなり、夫の介護はもちろん家事さえできない状況になっていたのです。そこでKさんは、日頃から信頼している訪問介護事業所のサービス提供責任者に相談しました。当時20代の元気なサービス責任者は、まずその妻に会ってみると言ってくれ、翌日にはケアマネのKさんと一緒に同行訪問をしてくれたそうです。

その利用者夫婦にとっては、孫と同じような年代の明るい彼女にすっかり安心したようで、彼女がヘルパーで援助をすることに承諾。それをきっかけに、定期的な援助が可能となり、その後夫婦の生活も、少しずつ落ち着いていったそうです。

プラン通りに援助されていない・・・

介護保険のサービスは、あくまでも自立支援が原則です。ケアマネは、担当している利用者の自立支援を前提としたプランを作り、できない部分の援助をサービス事業所に依頼します。

しかし、訪問介護事業所の中には、そのプランに沿ったサービス内容を、担当するヘルパーにしっかり伝えられないまま、援助されていることも多々あるとKさんは言います。不適切なサービスにより、せっかく今までできていたことが、だんだんできなく(しなく)なり、逆に本人の状態が低下してしまうこともあります。

まとめ

Kさんも、長年のケアマネ業務の中で、多くの訪問介護事業所とともに、たくさんの経験を積み重ねながら成長してきたと言います。訪問介護の仕事は、自宅というある意味で、密室にも近い場所の中で行なうため、援助が本当に見えにくい場所でもあります。

だからこそ、適切なサービスをしっかり提供してもらえる信頼できる事業所を増やしていくことも大切なことなんですね。

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