まじかいご。

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デイサービス事業所で体験したエピソード~主任ケアマネに聞いてみた~

今や街中に至るところで、デイサービスの車を見かけます。しかし、Kさんがケアマネとして働き出した頃は、ちょうど介護保険がスタートした時期でもあります。地域によっては、デイサービス自体ほとんどなく、利用者さんにデイサービスを紹介したくてもできない、申し込みをしても長期間待機状態で、本当に大変だったそうです。

今では、デイサービスの数だけでなく、その種類や特徴も様々な施設が増え、選ぶのが大変だと笑って話をしてくれました。

今回は、主任ケアマネのKさんから聞いた、デイサービス事業所のエピソードを伝えていければと思います。

デイサービスを選ぶ視点

「事業所を選ぶポイント」の記事の中で、デイサービスを選ぶ視点は、

  • 集団の中での個別性が見出せる
  • 利用者さんが楽しめる
  • 送迎など融通を利かせてくれる

と、Kさんから聞かせてもらいました。

majikaigo.hatenablog.jp

利用者さんに合ったデイサービスを選ぶと言っても、利用者さん一人ひとりの状態も違うため、誰でもが自分に合ったデイサービスを利用できる訳ではありません。

医療依存度の高い利用者さんの受け入れが難しいデイサービス

これはKさんが、ここ最近強く感じていること・・・。

それは、どんなにケアマネがデイサービスの必要性を訴えても、本人や家族が望んでも、なかなか利用できないケースがあるということでした。

例えば、ここ最近、医療依存度の高い利用者さんや(医療処置が必要)や終末期の利用者さんが、病院ではなく在宅で療養しているケースが増えてきています。

もちろん施設によって、また地域によっては、医療依存度の高い利用者さんの受け入れも可能なデイサービスもあるようですが、現在Kさんの担当地域にはほとんどないとのこと。

地域包括的ケアが叫ばれている中で、もう少し看護・介護の負担軽減をはじめとする在宅生活の支援が展開されても良いのではないかと話してくれました。

ケアマネがデイサービスに求めるもの

Kさんは、認知症や自宅に閉じこもりがちの利用者さんには、積極的にデイサービスを利用してもらうプランを立てているとのこと。デイサービスをケアプランに入れる場合に、家族の介護負担の軽減を一番の理由とするケアマネが、今でも多くいるといいます。でもKさんは、私に次のような話をしてくれました。

認知症状の悪化により、様々な問題行動が増えてきて、家族がとても困っている利用者さん。また、自宅で閉じこもりの状態が続き、体力、気力がどんどん低下しているため、介護量が増えてきている利用者さん。その利用者さんを世話している家族が大変なので、その負担を軽減するために、家族のためにデイを利用するという今までの発想を転換!

デイサービスの利用により、その利用者さんの規則正しい生活リズム(食事、水分、運動、排便)が整えられれば、自然と問題行動や閉じこもりも改善されていくはずだと・・・。

実際に利用を継続する中で「最近、表情が明るくなりました。よく夜眠るようになったのですよ。」など、家族の声を聞くたびに、うれしい気持ちになるそうです。

もちろん、ケアマネが目指している利用者さんの課題をしっかりと理解した上で、支援してくれるデイサービスの事業所の存在があってこそできることですが。

デイで過ごしたことが、たとえ記憶に無くても・・・

デイサービスの中で、どんなに楽しく笑顔で過ごされていても、家に帰るとその記憶が全くない利用者さんもいます。

以前デイサービスの外出で、近隣の公園に桜見物に行った時Oさんのエピソードです。デイサービスの職員によると、認知症の診断を受けているOさんは、満開の桜を誰よりもうれしそうな表情で眺めていたとのこと。その後、桜の木の下で、みんなで記念写真をとり、デイに戻ってきたそうです。その日のデイの帰りの会で、職員が桜見物の話をした途端、Oさんが大声で言った言葉。「あらー、私も行きたかったのに・・・どうして連れて行ってくれなかったの!」と・・・。

デイの壁には、桜の花の下で、満面の笑みを見せるOさんの写真が貼られていました。「記憶では忘れていても、きっと楽しんでくれていたのだと思います。その時一瞬でも楽しく過ごしてもらえて本当に良かったです。」とデイの連絡ノートに記載されていました。

まとめ

全国各地で、色々な特色のあるデイサービスの活動等が話題になっています。利用者さんそれぞれの、状態、ニーズに合ったデイサービスが、今後もどんどん増えていくといいですね。