まじかいご。

介護、福祉に関する仕事についてや最新ニュース、転職体験などを書いています。介護職の方のためになるようなブログを目指し、日々更新しています。

介護職が受けるクレームでのストレス体験談

一般社会の中でも、最近はクレーマーという言葉をよく耳にしますが、介護業界でももちろん例外ではありません。中には、些細なトラブルがクレームにまで発展し、ストレスを感じながら仕事を続けている人もいると思います。

今回は、実際のクレームの内容や、クレーマーと呼ばれる人から実際に受けた話等を色々と聞いてきました。

介護方法に対し、細かいほどのクレームが…

訪問介護事業所で働いているヘルパーのAさん。ヘルパー経験も長く、在宅で暮らす利用者さんの身体介護を長年続けてきたベテランのヘルパーです。ヘルパーAさんが、まだ60代の比較的若い利用者のHさんの担当をした時の話です。

Hさんは、数年前に難病を発症し、日常生活全般に介助が必要な状態。依頼された援助は、毎朝の排泄介助(おむつ交換)と着替え、そして口腔ケアのモーニングケア全般。ヘルパーが入る前は、夫と娘さんで朝の介助を交代で行っていましたが、2人とも仕事に行く前で、介護負担が大きいという事で、ヘルパーが派遣されたのです。

もちろんヘルパーAさんは、訪問時間を有効に活用し、モーニングケアの援助をスムーズに行うことができました。しかし介護を受けたHさん自身、ヘルパーAさんのおむつの当て方に対し、納得がいかないのか、毎回何度もやり直しを訴える回数が増えていったのです。

それでもヘルパーAさんは、少しでも気持ちよく過ごしてもらいたいと、本人の意向に沿い、色々工夫しながら支援をしていましたが、なかなか満足してはもらえず…。

ある時から毎朝の援助が終了すると、ヘルパーAさんの所属する事業所に、Hさん本人からから電話が入るようになったのです。

「今日のおむつは、左に1㎝より過ぎている」「おむつが上にあてられたので、苦しい」など、毎回おむつの当て方に対するクレームでした。 実際、状況確認のためサービス担当責任者が何度か同行したのですが、特に問題もない様子。

その後も、毎日おむつ交換に対するクレームは続いたため、ヘルパーAさんも、さすがに自分から交代する旨を伝えたそうです。

後でわかったことでしたが、それ以降も、何人ものヘルパーが変わっても、クレームは収まらなかったそうです。夫や娘さんからは、今までずっとHさんの世話をしていた自分達が、急に自分から離れていってしまったと思いこんでしまったのではないかと。

また、その不安な気持ちが、こういうクレームという形で出てしまったのではないかとの話があったそうです。

家族からのクレームに、混乱させられる日々

特別養護老人ホームに働く介護員のBさんから聞いた話です。

自分が担当するフロアに入所しているKさん。認知症状は進行していましたが、施設の中ではいつも笑顔で穏やかに過ごされていました。しかし、Kさんのもとに、毎日面会に来られる娘さんの言動に、職員誰もが頭を痛めていたようです。

たとえば、毎日Kさんに着せてほしい衣服を娘さんが選んでくれるのは良いのですが、どうしても汚れてしまい交換する場合もあります。

しかし、娘さんが面会に来た時に、たまたま違う服を着ていたり、上下の服が一方だけ変わっていたりすると、それだけでクレームとなり、その後長い時間その話に付き合わされます。

また、食事をしっかり食べさせてほしいという割には、自分で甘いものを持参してこっそり食べさせていたり、面会時間はとっくに終了しているにもかかわらず、面会を希望されたりするなどきりがありません。

その都度丁寧に説明し、理解してもらえるよう施設全体で、努力するのですが、なかなか納得してはもらえません。

特に、施設内で感染症が流行し、一時的に外からの面会をお断りすることがあった時に、受付前で大騒ぎをした時には、さすがに皆でびっくりしました。

利用者さんの家族とのトラブルやクレームは、施設内ではよくありますが、そのたびに気持ちがへこみますと苦笑いするBさんでした。

介護保険のルールを理解できない利用者さんや家族に、上手く説明しきれないケアマネ

私が、クレームの話を口にした時に、私の知人のケアマネのCさんが、仕事の中で注意しなくてはと常に思っている話をしてくれました。

介護保険制度には、様々なルールや制約があります。 利用者さんのケアプランを作成する居宅のケアマネも、3年ごとに改正される介護保険法に乗っ取って業務を行います。

もちろんその中には、できることとできないことがあるため、時にはしっかりと利用者さん、ご家族に伝えなければならないことも多くあります。

しかし、それをはっきり伝えることで、利用者さんや家族の不満やクレームにつながることもあるのです。

「介護保険制度の中では、それはできないことになっています。」と話をすると、「あなたはいつも制度の話ばかりするけれど、実際に困っている利用者や家族に目が向いていないのでは?」と言われることもあると。

つくづく相手の思いを受け止めた上で、ルールがあることを理解してもらうことの難しさを感じているそうです。

まとめ

介護の中では、上記にも記載したように、利用者さんとのトラブルだけではなく、家族等からのクレームを受けることも多くあります。クレームがあった時には、まずはその相手の話に耳を傾けることが大切だと思います。

しかしその中には、明らかに理不尽なものもあります。また、自分の力だけで解決できるようなものばかりではありません。クレームに関しては、個々で抱え込まず、事業所全体で対応していくことが大切です。

majikaigo.hatenablog.jp