まじかいご。

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ケアマネがスキルアップするのに必要な3つのこと

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一般的に、どのような企業や組織においても、個人の資質にはばらつきがありますが、その中でもケアマネは、経験の浅い人も多く、個別のスキルの差が非常に大きくい職種と言われています。

そのため、利用者にとって過剰なサービスを提供している、自立支援という意識には程遠く、利用者目線ではないプランなどを作成してしまっている現状も多くあるようです。

この記事を書くにあたり、現場で働く居宅のケアマネのみなさんに、今抱えている悩みや取り組んでいることなどを具体的に聞いてみました。

しかし、どのケアマネに聞いても「どうしたらスキルアップができるのか」などと、考える余裕もない現状がそこにはありました。

そこで今回は、「どうしたらケアマネがスキルアップできるのか?」だけでなく、「どうしたらケアマネがスキルアップについて考えられるようになるのか?」についても、私なりに考えてみました。

ケアマネ業務で困っていることや悩みは何?

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ケアマネの経験3年までのケアマネ達に、今業務の中で、実際に悩んでいることや困っていることを率直に聞いてみました。

  • 自分が働いている事業所内ではケアマネ同士の仲が悪いから連携がとりにくい
  • 上司は居宅支援事業所の役割についての理解がなくて、担当件数や介護報酬のことばかり言われている
  • 利用者さんにサービスを入れる時には、まず自社のサービスを優先にと言われてしまう
  • 職場に複数のケアマネがいるが、パソコンが人数分ないため、仕事がはかどらない
  • 困難ケースを担当することになっても、相談できる相手がいない
  • 利用者訪問を、家族の都合に合わせなくてはならない場合があり大変。夜間や休日の訪問になることもある
  • 利用者の病状や対応方法について、主治医になかなか聞けない
  • 施設内で、ケアマネ業務以外の役割も担わせられているため、なかなかケアマネの仕事に集中できない
  • 時間が許せば外部研修にもできるだけ参加しようと思うが、とにかく時間が足らない

このように、様々な悩みがあるということを教えてもらいました。

自分で心掛けていることはあるのか?

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先ほど悩みを聞いたケアマネ達に、自分で心掛けていることや、取り組んでいることもあるのか聞いてみました。

  • わからないことがあれば、地域包括や保険者に相談に行くようにしている
  • 地域の事業所の連絡会に参加して、他事業所との情報交換を行うようにしている
  • 誰が見てもわかりやすいプランを作成するように心がけている

このように、自分なりに心掛けていることも教えてもらいました。

ケアマネがスキルアップするために必要な3つのポイント

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今回、ケアマネ達の話を聞いているうちに、ケアマネの仕事は、やはり個人で動いていることが多い職種であると、改めて感じました。その上で、個々のケアマネが少しでもスキルアップするために必要なポイントを3つ紹介します。

ポイント1:ケアマネ業務に集中できる環境を整えること

これは、ケアマネがスキルアップをする以前に解決しなければならない問題のように思います。それぞれのケアマネ事業所を抱えている施設や事業所の中には、ケアマネ業務以外の役割を依頼しているところもあります。

やむを得ない事情もあるのでしょうが、ケアマネ業務は片手間に行えるほど甘いものではありません。

少なくとも、ベテランで管理者等の兼務でない限りは、専任で業務ができるように環境整備を整える必要があると思います。同じ施設や事業所内にあっても、他のサービスと切り離した業務の独立も、重要課題です。

ポイント2:ケアマネに必須とされている研修等の内容を見直し、レベルアップを図れるようにしていくこと

現在、現任研修は義務化されていますので、多忙の中、最低限の研修には参加しています。またケアマネは5年毎に資格を更新するための研修を受けることになっています。

しかし、実際にそれらの研修については、疑問や不満の声も多く聞かれます。「毎回同じような受け身の講義をただ聞いているだけ…。」
「高い研修費用を出し、忙しい時間をやりくりして来ているのに、あまり実になるものが得られない…。」

このように感じている人も多いようです。もう少し義務化されている研修を、ケアマネが忙しい時間を割いてでも行きたいと思う研修内容にして、スキルアップを目指せるような研修のあり方を考えてみる時期にきているのかもしれません。

ポイント3:個々のケアマネが、ケアマネジメントを正しく理解すること

ケアマネには、「ケアマネジメントを正しく理解すること」「自立支援を意識して仕事を進めること」が求められています。そのために、まずは基本知識をしっかりと身につけることが重要ですが、残念ながら基本知識を持たないままケアマネジメントを行っているケアマネもいるのが現状です。

ケアマネには、新人もいればベテランもいます。しかし担当する利用者さんには、新人もベテランも関係ありません。

自分が作成するケアプラン次第では、担当する利用者さんの状態が良くも悪くもなることをしっかり理解して、まずは「基本知識を身につける」ところからステップアップしていきましょう。

まとめ

介護保険制度スタート以来、その資質の向上が求められ続けるとともに、業務自体も年々厳しくなっています。書類の多さや繁雑な記録の多さなどで、常に追いつめられているような気がするという人もいます。

しかし、ケアマネには、利用者の自立支援のためのケアプランを作成するという重要な役割があります。まずは初心に戻り、ケアマネジメントのプロセスや基礎知識を学びなおすのもよいかもしれません。

介護や医療等の基礎知識を習得した上で、事例研修などを行う研修等に参加していくことも、スキルアップをするためのスタートかもしれません。