上司のパワハラに悩む介護職の体験談
「仕事は大変でも、うちの職場は人間関係が良いから頑張れる。」
と、思っている人もいるでしょう。
その一方で、「仕事そのものは楽しいけれど、うちの職場は人間関係が悪くて…」と、話す人もいます。
介護の仕事だけでなく、職場の人間関係の良し悪しが、仕事に対するモチベーションにもつながってくると言っても過言ではありません。
今回は、介護の仕事の中での人間関係、それも自分の職場の上司からパワハラを受けて悩んだことのある経験者、2人の方の話をお伝えしていきます。
現在、職場でパワハラを受けている方の参考になれば嬉しいです。
上司のパワハラ発言に悩んだあげく…
介護福祉士や社会福祉士の資格を持ち、ある地域で社協が運営する、相談窓口の相談業務として入職したAさん。長年の介護職としての経験が少しでも役に立てば…と考え非常勤として入職をしたのです。
業務そのものは、来所された高齢者や家族の介護に関する相談、展示品や福祉用具の説明等、今までの自分の経験が活かせるものでした。
ただ、一つだけどうしても職場で馴染むことのできないことがあったと言います。
Aさんは、入職当初からその職場の上司の言動に悩まされてきたのでした。40代後半のその上司は、この社協の中では、一番若くして昇進したことを自慢にしていました。
毎朝やってきては、忙しい職員達にコーヒーを入れさせ、
「今日のコーヒーは私好みだ」
「これは少し濃すぎるよ。誰が入れたのか」
など、ぶつぶつと言ってくるのです。
本人は、これも職員とのコミュニケーションを図る時間だと思っているようなのですが、職員達にとっては朝から上司のご機嫌を伺わなくてはならず、憂鬱な時間でもありました。
そして、朝から何か不機嫌なことがあった日には、やたらとそばにいる職員をつかまえては、あたり散らすのです。
私より以前から働いている職員達は口を揃え、
「あの上司は、子どもなんだと思ってあきらめている。」
と、言いますが、Aさんにはどうしてもそんな上司を受け入れることができませんでした。
「この職場は、地域の方々の相談を受けたり、アドバイスをしたりする大切な場所、相談を受ける側の職員の気持ちが、まずは安定していないと良い仕事はできない。」と、Aさんは思ったそうです。
後で聞いたことですが、この職場はこの上司のパワハラが原因で、次々と職員が退職してしまう職場だったのです。他の職員のように、うまく上司の機嫌を取ることができなかったAさん。
上司からも、毎日のように、
「この職場に不満があるのなら、いつでも辞めてもらって構わないよ。いつでもクビにもできるしね。」
と、言われ続けたとのこと。
その後、4ヵ月という短い期間で、Aさんはこの職場を去りました。
看護師の上司とのトラブルが仕事をやめるきっかけに…
特養施設の介護士として働いていたBさん。特養施設の看護師で、副施設長を兼務している上司のもとで働いていました。その上司は、看護師ではありますが、介護士のことも気にかけてくれて、頼りにできる存在だと思っていました。
しかし、ある認知症の入所者さんの問題行動に対して、面会に来た妻を前に、上司がかけた心無い言葉に納得がいかなかったBさん。
その上司に対し、
「奥さん、かなり落ち込んで帰られました。もう少し言葉のかけ方に配慮してもらいたかったです。」
と、思わず言ってしまったのです。
すると、その上司の顔色が急に変わり、突然Bさんに投げかけられた言葉。
「あなたは介護士でしょう!?介護士は看護師とは違うのよ。そんな偉そうに言える立場じゃないでしょう。」
と、言われました。
その言葉を聞いたBさんは、この人は看護師の方が介護士より優位の立場にいると思って仕事をしている…と、初めて気付いたそうです。
それ以来、
「看護師と介護士は立場が違う。」
「きちんと立場をわきまえて。」
と、事あるたびに言われるようになり、ついに我慢できずに退職をしました。
まとめ
パワハラの問題は、介護の業界だけに限らず、様々な業界でも問題になっています。今回お伝えした体験談のようなことは、多かれ少なかれ、誰でも一度は経験されているのではないでしょうか。
ひどい場合には、相手の人格まで否定をするなどの嫌がらせもあると聞いています。それが自分の上司から受けるものであれば、なおさら職場内の雰囲気も悪化してしまうことでしょう。
もしも今、職場の上司のパワハラに悩んでいる方がいるのであれば、我慢せずに、まずは誰かに話を聞いてもらいましょう。そして、ストレスチェックをしてみることをおすすめします。決してひとりで悩むことのないように…気を付けましょう。