まじかいご。

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介護報酬改定速報を読んでみて思ったことをまとめてみた

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平成30年度の介護報酬改定が発表されました。

先日、「医療・介護 30年度報酬改定の記事を読んでの感想」の記事の中でも書きましたが、高齢者の自立支援や重度化防止を重点に置く、施設や事業所に配分を手厚くすることが盛り込まれました。

今回は、この介護報酬改定速報を読んで、私なりに感じたことをまとめて書いてみました。

介護報酬改定のポイント

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高齢者が施設、在宅を問わず、どこで暮らしていても、必要で適切な医療や介護サービスを切れ目なく受けられるために、様々な体制作りが検討され盛り込まれています。

例えば今回は、6年に1度の介護報酬と医療の診療報酬改定が同時に行われる年でもあり、医療、介護の役割分担や連携をより強化、また、それに関連した加算や評価を充実させている。

  • 質の高いサービスを実現するために、自立支援や重度化予防を進める施設や事業所に対する評価、配分に重点が置かれている
  • 課題と言われている人材確保の視野を拡大すること、また、介護ロボットやITCの活用による負担軽減、その他効率化を図るための設備基準等の様々な見直しや緩和が行われる
  • 介護サービスの適正化、重点化を図り制度の安定制、持続可能性を高める

など、大まかなポイントがあげられています。

特に自立支援に力を入れるのは、団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて、増え続ける介護費用の伸びを抑えることも目的になっているようです。

施設サービスに対する改定のポイント

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前回は3年前の報酬改定の際に、基本報酬が引き下げられた特養の報酬改定が行なわれています。

具体的に見てみると、

  • 特養は基本報酬の引き上げを行う
  • 入所者の自立支援や重度化防止を踏まえた計画を立て、支援する場合などにも加算を設ける
  • 終末期の高齢者の増加により、みとりに対応できる体制を整えた特養への加算を新たに設ける

このようなことがあげられています。

在宅サービスに対する改定のポイント

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在宅で生活する利用者さんが、利用する各在宅サービスにも、それぞれ方向性が打ち出されました。

  • 訪問介護では、「身体介護」の報酬が引き上げられ、掃除や調理等の「生活援助」引き下げられる
  • 通所介護は、提供時間や事業所の規模によって基本報酬が見直しされる。また、リハビリの専門職と連携している事業所、利用者の状態が改善する成果を出した場合には、加算が算定される
  • 長時間の通所リハビリの基本報酬の見直し
  • 福祉用具貸与の価格に上限を設ける方針が決まり、各福祉用具の商品ごとに平均価格を調べ、一定の割合を加えた水準に設定する方向
  • ケアマネジメントの質の向上と公正中立の確保からケアマネ事業所の管理者要件の見直し、認知症への対応の強化を図るため、手厚く看護職員を配置するグループホームに評価を設ける

などがあげられています。

今回の報酬改定の速報を読んだ私が感じた事

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実際に介護保険のサービスを利用している人が、今回の報酬改定により、自分が利用しているサービス(また、これから選ぶサービスや事業所)の利用料や自己負担がどの位増えるのかを心配するのは当然のこと。

もちろん、サービスを利用していなくても、介護保険料を支払っている年代であれば、自分が支払う介護保険料が、今後どの位上がるのだろうかと不安になる人もいることでしょう。

介護報酬全体の改定率に加算等も併せて、介護報酬が上がる事業所や増えれば、結果としてそれに付随して利用者さんの自己負担が増えるし、40歳以上が支払う介護保険料も増えることになります。

その一方で、実際にどこまで期待できるのかはわかりませんが、事業者の経営改善のため、介護報酬を引き上げることが、介護職の待遇が改善、人手不足の改善等につながることも考えられます。

また、サービスの質の向上面から言えば、利用者さんを元気にできる事業所や施設に加算がつくようになることで、より専門性が高い介護職が必要になり、介護の現場も少しずつ変わっていくのではないかと思います。

私自身、ケアマネとして現場で働く中で、利用者の強い希望により、必要以上のサービスを調整してしまい、あとで状態が改善された時、サービスをひとつ減らすのにも、本当に苦労したことがありました。

今後に向け、サービスの質の向上はもちろんですが、介護サービスのさらなる適正化を図り、過不足のない適切なサービス利用を進めていくことも、重要な課題になってきます。

まとめ

介護保険制度がスタートしてから、3年ごとに行なわれるこの介護報酬改定。毎回この時期が来るたびに、本当に一喜一憂しながらその改定内容を読み込む作業が始まります。

今回は、先週末(2018年1月26日)に出た報酬改定の本当に大まかな内容を読んで、簡単ですが私なりの感想を書いてみました。

もちろん、細かな改正点や具体的な部分に関しては、各サービスごとさらに詳しく読み込んだり、報酬改定のたびに行なわれる説明会や研修等に参加し、しっかり理解を深めていくことになると思います。